ランキングに見る“留学に強い”女子大学

 「留学を経験したい」「語学力を向上させたい」等の学生たちの語学に対する需要が高まる中、大学は多種多様な留学プログラムを設けています。当然、女子大学も例外ではありません。
 まずは、「日本版」の調査過程で収集したデータから、留学関連の項目を見てみましょう。

 中長期の留学経験者TOP10には、女子大学で唯一、昭和女子大学がランクインしています(下図参照)。
 約3人に1人が長期留学を経験している昭和女子大学は、アメリカに昭和ボストンという分校を持ち、毎年約500名の学生が短期・長期の各プログラムを利用しています。また、1セメスター(約4か月)以上を昭和ボストンで過ごす長期プログラムでは、現地大学の単位修得ができるというメリットもあります。
 その他にも、9日間の短期留学から1年半の長期留学まで幅広いプログラムを設けているほか、海外留学に対する奨学金制度もあり、留学がしやすい環境が整っていると言えそうです。

 続いて、短期の留学経験者のランキングで注目したいのは、恵泉女学園大学です。同大学は、中長期の留学経験者の割合ランキングでも24位に入り、総合的に留学に強い大学だということがわかります。
 恵泉女学園大学では、実践的な語学力を身に付けるための「グローバルチャレンジプログラム」が設けられています。この制度では、大学入学後の4年間で、少人数クラス授業、小学校で英語を教える体験や海外留学などを通じ、TOEICで800点相当の英語力に到達することを目指します。実際に、高校卒業時点ではTOEIC375点だった学生が、4年間で925点に到達し、外資系企業への就職を決めた学生もいます。
 そのほか、留学のための奨学金や留学の説明会など、留学をサポートするしくみも整っています。さらに、協定校への留学の際は休学ではなく在学扱いとなるので、4年間で大学を卒業することが可能な制度も、留学を後押ししているようです。

グローバル企業への就職を狙うなら

 さらに、掘り下げてみていくと、昭和女子大学や恵泉女学園大学のように、留学に力を入れている大学では、入学後に語学力が向上し、外資系企業やグローバルで事業を展開する企業に就職する生徒が多い傾向にあることがわかります。
 就職先の情報は、各大学のホームページ等で確認できますが、昭和女子大学では、三菱UFJモルガンスタンレー証券やみずほフィナンシャルグループなどの金融業界のほか、楽天やP&Gマックスファクターなど、グローバルで活躍する企業への就職実績があります。
 また、恵泉女学園大学は、みずほフィナンシャルグループに複数人が就職しているほか、クレディセゾンなどの外資系企業、プリンスホテルなどの有名企業への就職実績もあります。
 このように、留学に力を入れている女子大学では、留学準備のサポートや留学しやすい制度が設けられているだけでなく、将来、語学力を生かした職業に就く可能性も高いと言えます。
 「海外に留学してみたい」「英語が得意科目で、将来は英語を使う仕事に就きたい」という高校生には、今回紹介した2校のように、“留学”の観点からランキングを紐解き、進路の選択肢に加えるようアドバイスしてみてはいかがでしょうか。