スーパーグローバル大学の概要と日本版ランキング2018へのランクイン状況

 文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」に採択された大学をスーパーグローバル大学と呼びます。スーパーグローバル大学には、「トップ型」13校と「グローバル化牽引型」24校の合計37校が選ばれています。トップ型の大学は「世界大学ランキングトップ100を目指す力のある大学」、グローバル化牽引型の大学は「これまでの実績を基にさらに先導的試行に挑戦し、我が国の社会のグローバル化を牽引する大学」とされています。
 「スーパーグローバル大学創成支援事業」の目的として、「徹底した『大学改革』と『国際化』を断行し、我が国の高等教育の国際通用性、ひいては国際競争力強化の実現を図り、優れた能力を持つ人材を育成する環境基盤を整備する」ことが掲げられています。
 採択された大学が設定している主な成果指標として、外国人及び外国の大学で学位を取得した専任教員等の割合や、全学生に占める外国人留学生の割合、日本人学生に占める単位取得を伴う留学経験者の割合などがあります。これらは、世界大学ランキング日本版2018(以下、日本版ランキング2018)の指標項目と共通する要素です。
 一方で、年俸制の導入割合、学生による授業評価実施授業科目割合、シラバスの英語化、全学でのクォーター制導入などの柔軟な学事暦の設定など、大学のガバナンスに関するものや、国際化に向けた改革のステップとして必要な条件を設定したものも見られます。

 スーパーグローバル大学の日本版ランキング2018へのランクイン状況を見てみると、スーパーグローバル大学37校のうち、34校がランクインしています。中でも、「トップ型」の13校は全ての大学がランクインしています。

ランクインしているスーパーグローバル大学の状況

 日本版ランキングでは、「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」という4つの分野別ランキングを発表しています。そこで、ランクインしたスーパーグローバル大学の各分野別ランキングのスコアを見てみましょう。
 下の表に、日本版ランキング2018の各分野のランキング1位、75位、150位の大学のスコアと、ランクインしているスーパーグローバル大学の各分野別スコアを記載しました。これらを見てみると、スーパーグローバル大学が各分野で高いスコアを得ていることがわかります。
 特に、「教育成果」分野では、スーパーグローバル大学のスコアが高水準であることがわかります。「教育成果」分野のランキングは「どれだけ卒業生が活躍しているか」がわかるランキングで、その指標項目には「企業人事の評判調査」と「研究者の評判調査」があります。つまり、ランクインしたスーパーグローバル大学には企業や研究者からの評判が高い大学が多いと言えます。

スーパーグローバル大学の中間評価との関連性

 2018年2月に、スーパーグローバル大学創成支援事業の中間評価の結果が発表されました。中間評価と、日本版ランキング2018の「国際性」分野・「教育成果」分野のランキングとの関連を見ていきます。

■「国際性」分野との関連
 日本版ランキング2018にランクインしたスーパーグローバル大学の「国際性」分野のスコアは平均68.44で、ランキング75位の大学のスコア(53.2)より、10ポイント以上高くなっています。
 中間評価によると、スーパーグローバル大学に採択された37大学は、全体として、外国語による授業科目数が事業開始前の2013年度と比べて約1.7倍に増加しました。また、同じ期間、単位修得を伴う海外留学経験者数は約1.5倍に増加し、受け入れ外国人留学生数も約1.4倍に増加しました。これらの取り組みは、日本版ランキング2018の「国際性」スコアの指標項目と重なります。
 さらに、中間評価で、豊橋技術科学大学、国際教養大学、上智大学は、「留学生と日本人学生とが共に学べる学修スペースの設置や国際学生寮の整備等により、留学生と日本人学生の共同生活を通じたコミュニケーションスキルや国際感覚の涵養といった相互作用が生み出されている」と評価されています。
 このうち、上智大学と豊橋技術科学大学は総括評価として最も高いS評価を受けています。この2校は、日本版ランキング2018の「国際性」分野のランキングにおいても、上智大学は5位、豊橋技術科学大学は41位と上位にランクインしています。

■「教育成果」分野との関連
 中間評価では、筑波大学、名古屋大学、京都大学、立命館大学の特色ある取り組みとして「海外の大学と戦略的に連携し、国際共同学位プログラムの展開や、国際共同大学院の設置、海外大学の教育研究ユニットの招致、複数の海外パートナー校との授業の共有により、いずれの大学からも履修出来るシステムの構築など、多様かつ高度な国際的教育研究の取組が着実に実施されている」ことが挙げられています。これらの4校のうち、筑波大学、名古屋大学は総括評価でS評価を受けています。
 日本版ランキング2018の「教育成果」分野のランキングを見ると、筑波大学は12位、名古屋大学は5位タイにランクインしています。筑波大学には国際統合睡眠医科学研究機構など、特徴的な研究組織を有し、世界から研究者を集めているほか、国際戦略総合特区に指定されているつくば市などとの産学官連携事業にも取り組んでいます。
 また、名古屋大学では、宇宙地球環境研究所、フライト総合工学教育研究センターなど複数の研究機関で、国内外の大学や研究所と連携した教育研究を行っています。このような、国際的なプログラムも含めた研究環境の向上が、上位のランクインに結び付いていると考えられます。

 中間評価では、スーパーグローバル大学の取り組みとして、ほかにも、大学の強みを生かした研究資金の重点的な投入や、意思決定機関等への外国人の参画などが挙げられています。
 しかし一方で、受け入れ外国人留学生数や日本人学生の海外留学経験者数の目標を達成できていない大学も見られることが、スーパーグローバル大学の課題とされています。日本版ランキング2018にランクインしたスーパーグローバル大学でも、4つのスコアの中で「国際性」スコアが突出して高い大学もある一方で、「国際性」スコアが比較的低いものの、ほかの3分野のスコアは高いという大学もあります。このことから、各大学の国際性に関する取り組みの重要度には、大学によって違いがあると言えます。