日本版ランキング2019のランキング指標「教育充実度」

 日本版ランキング2019では、「教育充実度」のランキング指標が変更され、大学にとって重要なステークホルダーである学生の声をランキングに反映させるべく、「学生調査」が加わりました。
 「教育充実度」の新規項目は「教員・学生の交流、協働学習の機会」「授業・指導の充実度」「大学の推奨度」の3項目です。指標項目が高校教員の評判調査のみの2項目から学生調査を加えた5項目となり、ランキング指標における「教育充実度」分野の割合は、26%から30%になりました。

「教育充実度」分野に初ランクインした大学

 「教育充実度」分野に初ランクインした大学は、合計18校に上ります。設置区分の内訳を見ると、公立1校、私立17校で、私立大学の比率が高くなっています。
 「教育充実度」分野のランキングに初ランクインした大学のうち9校が、総合ランキングにもランクインしました。

初ランクインした上位2大学の取り組み

 「教育充実度」に初ランクインした、上位2大学の取り組みを紹介します。

■帝京大学
 「教育充実度」分野で81位タイにランクインした帝京大学は、総合ランキングにおいても、131-140位にランクインしました。
 帝京大学は1966年に創立された、10学部33学科を持つ総合大学です。板橋、八王子、宇都宮、福岡、霞ヶ関の5つのキャンパスからなります。
 帝京大学八王子キャンパスでは、初年次に、新聞を使ってキャリアデザインや専門科目の基礎を学ぶことができる「ライフデザイン演習」が必修科目として設置されています。少人数のグループディスカッションやプレゼンテーションを中心とした授業が行われ、学生は、教員と学生の双方向のコミュニケーションを盛り込んだ授業を通して、思考力やグローバルな視点を身につけることができます。
 2018年4月には、八王子キャンパスに学習スペース「ACT3(アクトスリー)」とプレゼンテーションスペース「ACTrium(アクトリウム)」が開室されました。これは、アクティブ・ラーニングの実施に適した施設で、学生の主体的な学修をサポートするためのものです。具体的には、アイディアを書き留められるホワイトペーパーテーブルが設置された「PAPER SEATエリア」や常時パソコンを使用できる「PCステーション3」など、7つのエリアが設けられ、学生の能動的な学びを後押ししています。

■東京国際大学
 「教育充実度」分野で105位にランクインした東京国際大学は、総合ランキングにおいても111-120位にランクインしています。
 東京国際大学は、1965年に「真の国際人の養成」を教育理念として誕生し、5学部10学科を擁する総合大学です。4年間の学びの中で「真の国際人」としての力をつけることを目指し、きめ細かな「実学」教育を受けることができます。
 その1つに「English PLAZA」があります。これは、第1キャンパス図書館の1階に設置された国際交流拠点です。常駐するネイティブ教員や留学生スタッフとともに、リラックスした雰囲気で英会話を楽しめるラウンジや、個人またはグループで英語学習のアドバイスが受けられるエリア、英語の本や雑誌が読めるエリアなどがあります。さらに、ハロウィンや学期末のパーティ、ゲーム大会などのイベントにより、学生は楽しみながら異文化交流・英語学習を行うことができます。このように、学内での活発な英語コミュニケーションを促す取り組みが、実践的な英語力の育成に結びついているといえるでしょう。

 学生調査が加わり、新しくなったランキング指標に注目してみてください。