Q 取り組みの背景は?
本校は国際文化科と情報科学科の2学科構成で、1992年の創立以来、国際化・情報化社会で活躍できる人材の育成に取り組んでいます。
2013年度には新潟県教育委員会の「魅力ある高校づくりプロジェクト」の一環として、本校に海外大学進学コースが設置されました。グローバルな視点を持ち、将来、世界で活躍する人材の育成を目的としたものです。これまでに卒業生を3回送り出しましたが、毎年、希望者全員が海外大学への進学を果たしています。
Q 指導のしかたは?
コースの開始は2年生から。所属希望者は1年生の時に教員と面談し、アメリカ・ボストンの複数の大学を見学するキャンパスツアーに参加します。所属後は通常の授業とは別に、「グローバルスタディーズ」と呼ばれるディスカッション・プレゼンテーション中心の全て英語による授業と、英語学習、エッセイの添削指導などを受けます。
指導の過程で「なぜ海外の大学を志望するのか」を繰り返し尋ねます。これにより進学の目的意識が強まるとともに、意見を述べる力、人を説得する力なども鍛えられます。
Q 進学者の特徴は?
コース所属者は自分でレールを敷いていくことになります。そのため、人と違うことを恐れない、自立した生徒が多いと感じます。
周りにいい影響を与えようとする点も特徴の一つです。母校や地域への貢献意識が強く、この取材に同席してくれた卒業生*1のように、卒業後も頻繁に顔を出し、在校生向けの講演やワークショップに協力してくれる生徒が多くいます。
海外で学ぶうちに日本との違いを意識するようになり、かえって故郷の人や、暮らしへの関心が高まって、将来は仕事を通じて地元に恩返しがしたいと、思うそうです。
*1 海外大学進学コース1期生で、ニューヨーク州立大学2年生
Q 日本の大学に一言
海外大学進学コースは、今春3月に4期生が卒業します。5期生となる現在の2年生も全員が志高く授業や課外活動に励んでいます。海外大学進学をめざす生徒はこれからも続いていくと思います。
これまで私たち教員は、まさに手探りで生徒を育て、海外の大学に送り出してきました。グローバル人材育成の手法などについてはもっと知見を深め、生徒の指導に生かしたいと思っています。地域から世界に飛び立つ人材を高大連携で育成するようなことができたらと願っています。
語り手)新潟県立国際情報高校
キャロライン・ウィルヘルム(ALT)、石野 比羽子(教諭)、丸山 智恵子(教諭)、神田 貴代子(教諭)、サスリカ・クレ(講師)、キーン・ロス・トリポリ(ALT)