大学の教育力の高さはどこで判断しているか?

 教育力を見る際、まず重視するのは、「教える内容×教え方」です。このランキングでは高校教員の評判調査で「入学後の能力伸長」を聞いていますが、大学には学生が入学から卒業まで、どのくらい成長したか、やり遂げたかがわかる情報の公開を望みます。

グローバル人材育成についてはどうか

 私は、グローバルな人材を「地球規模から身の回りまでの視点を切り替えて考えられる人」ととらえています。その教育では「物事を鳥の目、虫の目、魚の目、コウモリの目でとらえる」ことが重要です。グローバル教育は決して留学、外国語、外国人教員という要素だけではありません。
 本校では、探究学習の一環として、「探究ゼミ」を実施しています。生徒は関心のあるゼミに所属して 1年間かけて主体的に学びます。グループで学び合う中で、自分の特性を自覚し、自分のキャリアについて考えるようになることを期待しています。その結果、進学先をネームバリューではなく、自分の特性に合うかどうかという視点で主体的に選ぶようになってほしいと思います。特にVUCAの時代におけるキャリアは、変化へ柔軟に対応できることが重要です。私個人としては職業が限定的になる進路よりも、キャリアが柔軟になる教養が学べる大学進学を勧めたいです。

日本版ランキングで注目した点は?

 上位の大学は、学力の偏差値ではないところで「なぜ、高く評価されているのか」が気になるので調べます。

出典:「Between」2020年5-6月号から抜粋