留学への不安は「英語力」と「費用」

 進研アドが高校生に対して実施したアンケートから「大学在学中の留学についての不安」(複数回答可)の結果を見ると、高校生が抱える留学への不安の多くは「英語力」と「費用」に集約されると言えます。
「自分の英語力に自信がない」「留学費を出せるほど裕福な家庭ではない」などの学生の不安が、留学をためらう理由になっているようです。こういった不安に対し、大学側でも、留学の準備や円滑な留学のための制度を多数設けています。

留学準備が充実している大学

 「THE世界大学ランキング 日本版」にランクインしている大学の中から、特に入学後の英語力の向上に力を入れている大学と、その取り組みを紹介していきます。
抜群の留学サポート力:会津大学
 会津大学(福島県)は、総合ランキング23位、国際性ランキング12位となっており、注目されている大学です。
 同大学では、初めのステップとして短期プログラム(2~3週間)を通じ、異文化理解を高めるプログラムへの参加を推奨しています。その後、学生自身が研修内容を計画する中期プログラム(3ヶ月~1年)を実施。学生ひとりひとりのレベルに合った留学コースの選択ができるため、英語力に不安がある学生でも、挑戦しやすい制度になっています。
 また、充実しているのは、留学制度だけでなく、費用面の補助や単位認定制度をはじめとする、手厚いフォロー体制です。プログラムによっては、渡航費や保険料、ビザの申請にかかる費用などを大学が負担するものがあり、抜群の留学サポート力のある大学と言えるでしょう。

英語で学べる授業多数:南山大学
 南山大学(愛知県)は、総合ランキングでは55位、国際性ランキングでは34位です。入学時に英語に不安があっても、卒業までにしっかりした英語力が身につくと定評があります。
 同大学では、「国際科目群」という、全学部生を対象とした英語で学べる授業を約60科目で実施しています。この制度を活用すれば、留学前の英語力向上はもちろん、留学後の英語力維持も可能でしょう。また、留学をしなくても、留学先と似た環境で学び、英語力を効率的に伸ばす事ができると考えられます。
 さらに、各人のレベルに合わせた「留学に向けた育成プランの設計」により、英語が不得意な学生は、留学生とのディスカッションができる多文化交流ラウンジなどを通じ、少しずつ英語力をアップさせることも可能です。

学内で留学体験:福岡女子大学
 福岡女子大学(福岡県)は、公立の女子大学です。総合ランキングでは48位、短期の留学経験者の割合は12.2%で全大学中5位となっています。
 同大学の特徴は、学内で疑似留学の体験ができる「イングリッシュ・ビレッジ」というイベントを通じ、留学準備をすることができる点です。このイベントは、日本語の使用厳禁という環境の中、短期留学生のサポートのもと、留学生とともに模擬授業やゲーム等を体験していくという魅力的な留学体験プログラムです。
 さらに、「自分探しの旅プロジェクト」と称した短期(2~4週間)の海外派遣を行っている点も見逃せません。気軽に留学体験をすることができる上、本格的な海外留学を考える足掛かりとしても活用されています。これらの取り組みを活用すれば、海外留学への不安が払しょくできるのではないでしょうか。

 ほかにも各大学が様々な留学への取り組みを行っていますので、「THE世界大学ランキング 日本版」の詳細データを、大学の特徴を確認する参考にしてください。