体験プログラムで学びの特色を確認
多くの高校生の夏休みが始まる7月の後半から秋ごろにかけて、多くの大学がオープンキャンパスや入試説明会などのイベントを開催します。高校生は、実際にいくつかの大学へと出掛け、オープンキャンパスや入試説明会に参加することによって、ホームページやパンフレット等だけではわからない大学の特色を知ったり、受験勉強のモチベーションを上げたりすることができます。
国際学系の学部は特に、大学によって学びの内容に違いがあるため、実際に大学に赴き、自分の学びたいことに近い学部かどうかを見極める必要があります。さらに、大学の国際交流や外国語のスピーキングの授業などは、高校ではなかなか経験できないため、大学での体験プログラムに参加することによって得られる情報もたくさんあります。
外国語や海外での仕事、研究職などに興味のある高校生は、大学のグローバル教育に触れて、将来したいことにつながるような大学を選ぶのもいいでしょう。
高校生向けグローバル教育体験プログラムを設けている大学
THE世界大学ランキング日本版2018(以下、日本版ランキング2018)における「国際性」分野のランキング指標項目は、2017年から変更されました。日本版ランキング2018の「国際性」分野の指標項目は、「外国人学生比率」「外国人教員比率」「日本人学生の留学比率」「外国語で行われている講座の比率」です。これらの4つを同じ割合で考慮した分野別ランキング<国際性>は、大学のグローバル教育の取り組みを調べる際に参考になります。
そこで、分野別ランキング<国際性>にランクインした大学の中から、高校生に向けて特徴的なグローバル教育の体験プログラムを行う大学を紹介します。
明海大学:専門性の高い英語授業を体験
分野別ランキング<国際性>で75位にランクインしている明海大学では、2018年8月2・3日、9月2日、12月16日に「One Dayセミナー」を開催します。「One Dayセミナー」では、事前に予約した高校生を対象に、ホスピタリティ・ツーリズム学科のホスピタリティ・ツーリズムメジャー(HTM)、グローバル・マネジメントメジャー(GMM)の体験授業を行います。
ホスピタリティ・ツーリズム学科は、ホテル・旅行・エアライン・エンターテイメントをはじめとするホスピタリティ・ツーリズム産業のあらゆる企業活動に不可欠な「コミュニケーションスキル」「ホスピタリティ(おもてなしの心)」「マネジメント」、そして高い外国語コミュニケーション能力を、学生が身に付けることをめざします。その中で、CA(キャビンアテンダント)やグランドスタッフ、また、ホテルやツーリズム業界などで専門性を生かして活躍できる学生を育てるHTMと、これからのホスピタリティ・ツーリズム業界をけん引するリーダーとして国際社会で活躍する学生を育てるGMMに分け、それぞれ専門的な教育を行います。
HTMの「One Dayセミナー」では、ホスピタリティ・ツーリズム業界出身の教員による体験授業で実践的な授業を受けられます。一方、GMMの「One Dayセミナー」では、全ての回において、英語で行われる授業を受けることができるため、ホスピタリティ・ツーリズム業界の実践的な英会話を見聞きすることができます。
明治学院大学:工夫を凝らした模擬授業やイベント多数
明治学院大学は、分野別ランキング<国際性>で68位にランクインしています。2018年度のオープンキャンパスは8月4・5・24・25日に開催されます。
オープンキャンパスでは、各学部それぞれが工夫を凝らした模擬授業やイベントを行っていることが特徴です。明治学院大学には6つの学部があり、外国語系では文学部に英文学科、フランス文学科があり、国際学系では国際学部に国際学科、国際キャリア学科を有しています。これらの学部でグローバル教育に関連した体験プログラムが開催されているほか、経営学部国際経営学科や法学部グローバル法学科でも、独自のイベントを開催しています。
中でも、模擬授業では、各学部各学科がオープンキャンパスの期間に毎回異なる授業を行います。例えば、8月25日に行われる文学部英文学科の「What Is a Story? Charlie Chaplin’s “Modern Times”」、フランス文学科の「時空小説『80日間世界一周』から知る歴史と文化」のように、ある特定の物語を取り上げたものなど、受験希望者の興味を引く授業が行われます。また、その他の模擬授業では、外国人教員の授業を受けることもできます。
さらに、法学部グローバル法学科の「国際紛争の平和的解決について考える」など、文学部や国際学部以外の学部の視点からグローバルなテーマを考えることのできる模擬授業もあります。
国際学系に広く興味のある生徒にとって、オープンキャンパスで自分が本当に学びたい学問を見極めるのに適した環境だと言えます。
崇城大学:学内の英語学習施設を開放
分野別ランキング<国際性>67位の崇城大学は、工学部、情報学部、生物生命学部、芸術学部、薬学部の5学部を設置しています。国際学部や外国語学部が無いにもかかわらず、「国際性」分野のランキングで上位にランクインしていることが、この大学の特徴の一つと言えます。
2018年度のオープンキャンパスは8月11日(土・祝)に開催されます。オープンキャンパスでは、模擬講義や体験実習、在学生との交流などの、入学希望者が知りたい大学生活についての情報が得られるプログラムのほか、起業部(ベンチャーラボ)見学、リケジョCaféなどの特色あるプログラムも行われます。
その中でも、オープンキャンパス当日の10時から15時まで開放される「SILC英語ラウンジ」は、崇城大学のグローバル教育を体験できるプログラムです。SILCとはSOJO International Learning Centerの略で、学内の英語学習施設のことです。SILCには、出身国の様々な英語ネイティブ講師が17名在籍しています。
また、SILCは自律学修センター(SALC)を併設していて、入学後も「カンバセーションラウンジ」でネイティブ講師と英会話や英語を使ったゲームをすることにより、英語力・コミュニケーション能力を自然に身に付けることができます。これらの施設を通じ、英語教育の模擬体験をしてみると、大学での成長イメージが湧いてくるのではないでしょうか?
このほかにも、各大学が高校生に向けて様々な体験プログラムを行っています。事前予約が必要なものもあるため、ランキングで気になる大学があれば、その大学のホームページで体験プログラムの詳細を確認しましょう。