エリアごとのランキング

 日本版ランキング2018のWebサイトでは、総合ランキングにランクインしている大学を「北海道・東北」「北関東・甲信越」「首都圏」「北陸・東海」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」の7つのエリア別に表示することもできます。それにより、進学希望者は、住みたい地域の大学に絞ってから大学を比較することが可能になります。
 ここでは、「北陸・東海」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」の4エリアから、上位ランク10大学を中心に傾向を見ていきます。

「中国・四国」「九州・沖縄」エリアのランキング上位校は?

 中国・四国エリアの上位10大学は国立大学が9校を占め、公立大学では唯一、高知工科大学がランクインしています。
 高知工科大学は、1997年に開学した新しい大学で、他の大学にはあまり見られない個性的な取り組みを行っています。そのひとつに、大学での学士課程と大学院修士課程の教育・研究をスムーズにつなぐ"6年一貫教育型"のカリキュラムがあります。また、多彩な領域から目的や興味に合わせて柔軟に科目を選択することができる学群・専攻制を採用していることも特徴的です。必修科目はなく、他学群の科目も履修できるため、学生は自分が興味を持った科目を将来の目標に応じて自由に選択できます。

 九州・沖縄エリアでは、エリア2位に私立大学である立命館アジア太平洋大学がランクインしています。立命館アジア太平洋大学は「国際性」分野のスコアが高く、全国でも2位です。全学生の半分以上が外国人学生というグローバルな環境を誇り、9割近くの授業を外国語で行うなど、留学生と共に学べる取り組みを行っています。
 九州・沖縄エリアでは、女子大学として福岡女子大学が上位に入っている点も、注目すべき点でしょう。

「近畿」「北陸・東海」エリアのランキング上位校は?

 近畿エリアでは、エリア別上位10大学がすべて総合ランキング50位以内に入っています。
 京都大学・大阪大学・神戸大学という国立大学3校が上位を占めていますが、いわゆる「関関同立」といった関西での有名私立大学がランクインし、他のエリアと比べて国立大学と私立大学が拮抗している印象を受けます。
 エリア上位10位以内に唯一ランクインしている公立大学は大阪市立大学です。大阪市立大学は、医学部を含む8学部を持つ総合大学です。学修支援や授業改善に積極的に取り組み、2016年度には、文部科学省の大学教育再生加速プログラム「高大接続改革推進事業」における「テーマⅤ:卒業時における質保証の取組の強化」に採択されました。

 北陸・東海エリアでは、西日本で最も多い23校が総合ランキングにランクイン。中でも、愛知県の大学が数多くランクインしています。さらに、そのうち3校が工業・工学系の大学です。
経済産業省発表の「工業統計表」(2017年)によると、2016年の製造品出荷額等の金額は愛知県が約45兆円で第1位であり、2位以下に大きく差をつけています。愛知県を中心とした工業に強い背景が、大学にも反映されていると考えられます。
 エリア3位の豊橋技術科学大学は、先端的技術分野と先導的技術分野を2本の柱とし、「機械工学系」「電気・電子情報工学系」「情報・知能工学系」「環境・生命工学系」「建築・都市システム学系」という5つの学系を持つ大学です。特徴的なのは、自然・社会・人間に関する深い知識と理解を持つ指導的技術者を育成するため、総合教育院を設置していることです。総合教育院では、博士後期課程の指導までに関わっているほか、国際交流センターと連携して、外国人留学生に対する日本語・日本文化の指導も行っています。

 エリア別のランキングは、興味のあるエリアでの大学選びに役立つほか、それまで知らなかった地方の大学の魅力を発見することにもつながります。志望校や併願校を比較・検討する際には、エリア別のランキングも活用してみてください。