THE世界大学ランキング日本版2018でエリアごとのランキングがわかる

 日本版ランキング2018のWebサイトでは、北海道・東北、北関東・甲信越、首都圏、北陸・東海、近畿、中国・四国、九州・沖縄という7つのエリア別ランキングを見ることができます。
 東日本にキャンパスを構える大学のうち、総合ランキングにランクインしている78校を北海道・東北、北関東・甲信越、首都圏の3つのエリアで区切り、ランクイン状況や特徴をさぐります。

「首都圏エリア」のランキング上位校は?

 日本版ランキング2018にランクインした大学数をエリア別に見てみると、首都圏エリアの大学が圧倒的に多く、全国のランクイン大学の3分の1を占めています。
 上位5校のスコアを見てみると、いずれの大学も教育充実度と教育成果のスコアが高い一方、教育リソースと国際性のスコアにはばらつきがみられます。ここでは、上位5校の中で国際性のスコアが最も高い東京工業大学の取り組みを見てみましょう。

 東京工業大学では、2013年に「グローバル理工人育成コース」を開設し、世界の企業、大学、研究所、国際機関など様々な分野で活躍できる科学者やエンジニア、技術者といった「グローバル理工人」を育成しています。このコースでは、英語力のみならず、課題を発見・解決するスキルや世界各地の文化に対する理解など、グローバルに活躍するための幅広い学力が身に付きます。各種の留学プログラムが設置されているのも特徴です。

「北海道・東北」エリアのランキング上位校は?

 北海道・東北エリアからは15大学が総合ランキングにランクインしています。そのうち上位は国公立大学が占め、私立大学でランクインしたのは東北学院大学のみです。また、北海道エリアでは、北海道大学を除き、商科・工業・医科など専門性の高い大学が強みを発揮しているのが特徴です。

 ここでは、公立大学で最上位の国際教養大学(秋田県)の取り組みを見てみましょう。国際教養大学は教育充実度と国際性のスコアが高く、教育充実度は99.8ポイント、国際性は100.0ポイントであり、どちらもランクイン大学の第1位です。
 国際教養大学では、すべての授業が英語で行われるほか、20人以下の少人数授業が多く行われています。また、外国人教員が過半数を占めるなど、国際的かつ学生と教員のコミュニケーションが活発な学習環境が整っています。さらに、すべての学生には1年間の海外留学が義務とされ、学生は「専門科目を修得しながら英語や第三言語の力を磨く」ことを目標にしています。留学先の大学とは交換留学協定を結んでいるため、授業料は相互免除、留学中に修得した単位は卒業単位として認定されます。

「北関東・甲信越」エリアのランキング上位校は?

 北関東・甲信越エリアからは10校がランクインしています。そのうち、私立大学で唯一ランクインしたのが国際医療福祉大学(栃木県)です。国際医療福祉大学では、患者・利用者が望む「自分らしい毎日」の実現に向けて、様々な職種の人々が対等な立場で協力し合える環境を実現する人材の育成を目指しています。そのため、全学生が入学直後に医療福祉現場を体験するほか、自身の専門分野以外の他職種の仕事内容に関しても学びます。

 甲信越エリアのトップは、工学系大学の長岡技術科学大学(新潟県)です。他の国立大学を押さえてエリア第1位を獲得し、教育充実度のスコアが82.2ポイントと高いことが特徴です。長岡技術科学大学は、実践的な技術開発をめざす教育研究を行う大学院に重点を置き、すべての学部入学者に対し、大学院進学を前提とした学部から大学院までの一貫教育を実施しています。また、学部生の4年次に、企業や官公庁等において約5か月間の実務訓練を課すなど、特徴的な取り組みを行っています。

 このように、エリア別のランキングを見ることにより、特徴的な取り組みを行っている大学を知ることができます。ぜひエリア別のランキングにも注目してください。