THE世界大学ランキング日本版2020でエリアごとのランキングがわかる
日本版ランキング2020のWebサイトでは、北海道・東北、北関東・甲信越、首都圏、北陸・東海、近畿、中国・四国、九州・沖縄という7つのエリア別にランキングを見ることができます。
以下、首都圏と北海道・東北の特徴を探ります。
「首都圏エリア」のランキング上位校は?
THE世界大学ランキング日本版2020にランクインした大学数は、首都圏エリアの大学が比較的多く、全国のランクイン大学の約3割を占めています。
上 位5校のスコアを見てみると、いずれの大学も教育充実度のスコアが高い一方、教育リソースと国際性のスコアにはばらつきがあります。ここでは、上位5校の中でトップである東京大学の取り組みを見てみましょう。
東京大学は「教育リソース」分野、「教育成果」分野で特に高いスコアを獲得しました。
教育リソースに関わる取り組みとして「Proprius 21 Plus共同研究ニーズ・シーズ マッチングによる課題解決」が挙げられます。Proprius 21 Plusとは、東京大学の産学共創推進本部において、民間企業のニーズをヒアリングし、最適な共同研究のマッチングを行う取り組みです。企業側に具体的な研究テーマが明確に決まっていない場合にも、ヒアリングやワークショップ、研究者のアドバイスを通して研究テーマを明確化する「テーラーメイド型」の共同研究で、企業が気軽に産学連携を相談できる制度です。
また、特徴的な研究機関に、持続可能な開発目標(SDGs)や未来社会に関わる研究を行う未来ビジョン研究センターがあります。例えば、持続可能な開発目標(SDGs)の研究部門では、環境問題が社会や政治にもたらす影響やエネルギー問題などについて研究しています。
教育成果に関する取り組みとして、東京大学のキャリア教育および就職サポート活動を見てみましょう。東京大学では、就職活動のさまざまな段階に対応したきめ細かいサポートが特徴的です。例えば、エントリーシートや面接、グループディスカッションの練習だけでなく、就職活動に生かすための効果的な新聞の読み方についてのワークショップ、学部や研究科単位でのキャリアガイダンスなどが行われています。また、卒業生とのネットワークを活かした取り組みも多く行われています。学生は、企業で活躍するOB・OGとともに、業界研究やキャリアデザインを行う機会が豊富にあります。また、最終(役員)面接を想定し東京大学の卒業生が面接官役を務めるワークショップも行われています。
「北海道・東北」エリアのランキング上位校は?
北海道・東北エリアからは、総合ランキング200位以内に18大学がランクインしています。そのうち上位は国公立大学が占め、私立大学でランクインしたのは東北学院大学のみです。
ここでは、東北学院大学(宮城県)の取り組みを見てみましょう。東北学院大学は、「教育充実度」分野で高いスコアを獲得しています。
東北学院大学は、東北地方で唯一の私立総合大学で、100年以上の歴史を持ちます。学生目線のサポートが多いことが特徴です。
特に、年に2回行われる「学生総会」は、学生が大学に対する意見を直接伝えられる機会となっています。実際に、学生総会での意見をもとに制度などの見直しや改善が行われます。また、新入生の学生生活をサポートする「TGCコンシェルジュ」では、先輩学生や職員が一体となって、質問や相談に応じ、新入生に「併走」する活動も行われています。
また、語学学修のサポートにも積極的です。英語教育センター「えいごりらうんじ」では、教員から英語学修についてのアドバイスが得られます。英文法などの復習から、英会話、民間試験の勉強法まで、学生の英語学習に関する相談を受け付けています。さらに、ラーニング・コモンズ「コラトリエ」には、グループ学習・個人学習で使えるスペースが設置され、アカデミックスキルに関する少人数制のセミナーも行われます。そこでは、論文の書き方や勉強法などを学ぶことができます。