THE世界大学ランキング日本版2022の「外国語で行われている講座の比率」の傾向

 THE世界大学ランキング日本版のWebサイトでは、THE世界大学ランキング日本版2022のデータをもとに、ランクインした大学の「外国語で行われている講座の比率」を公開しています。
 「外国語で行われている講座」は、外国語を学ぶ授業ではなく外国語を用いて行う授業を指し、「語学を除き外国語で行われた科目数/全科目数」で算出されます。
 ランクインした大学のうち、約4割の大学で「外国語で行われている講座の比率」は昨年度より上昇していました。この記事では、その中でも「外国語で行われている講座の比率」が、昨年度より5ポイント以上伸びている大学3校を紹介します。

「外国語で行われている講座の比率」が大きく伸びた大学①会津大学

 会津大学は、コンピュータ理工学を専門とする大学です。63.5%の授業が外国語で行われています。外国語の授業は昨年と比べて17.3ポイントも増加しており、ランクインした大学の中でも圧倒的な伸び率をみせています。
 会津大学の特色は、外国人留学生を積極的に受け入れていることです。海外の大学61大学と交流協定を結んでいる(22年7月末時点)ため、学生の海外留学プログラムが充実しています。また、「ICTグローバルプログラム全英語コース」という、初年次から英語のみで教養科目や専門科目を履修できるコースが存在しています。「ICTグローバルプログラム全英語コース」の出願要件には、TOEICやIELTSだけでなく、11種類以上の国際基準試験が採用されているため、外国人留学生でも容易に受験が可能です。
 このように、会津大学にはキャンパス内で学生が多文化交流できる環境が整っています。外国人留学生と同じ環境で授業を受ける機会が多いので、国際性が身に付きやすい環境といえるでしょう。

「外国語で行われている講座の比率」が大きく伸びた大学②京都工芸繊維大学

 京都工芸繊維大学は、京都にある工科系の国立大学です。「外国語で行われている講座の比率」は、今年は34.6%でした。昨年の27.1%から、7.5ポイント増加しています。京都工芸繊維大学の特色や取り組みについて紹介します。
 京都工芸繊維大学は、グローバル化を牽引する人材としてTECH LEADERの養成を掲げており、外国語運用能力を重視しています。学部生の50%、大学院生の80%がTOEIC730点相当以上の英語運用能力を身に付けることをめざし、「英語鍛え上げプログラム」を実施しています。この英語鍛え上げプログラムはインプットを重視するプログラムで、大量の課題や要求度の高いテストを科すことで、多く英語に触れさせることを目的とするものです。要求度の高い課題やテストが課されるため、自分で英語を勉強する力がつきやすい環境であるといえるでしょう。

「外国語で行われている講座の比率」が大きく伸びた大学③電気通信大学

 電気通信大学は東京にある理工系分野専門の国立大学です。「外国語で行われている講座の比率」は今年が9.4%、昨年が2.8%と6.6ポイント増加しています。電気通信大学の特色や取り組みについて紹介します。
 電気通信大学は、学生の国際化を積極的に支援しています。海外の交流協定校での語学研修だけでなく、ダブルディグリープログラム、国際インターンシップなど、学生が実践によって語学力を身に付けることができる、幅広いプログラムを実施しています。また、英語で授業が行われる国際科目を開講し、日本人学生でも英語で専門的な授業を受ける機会が用意されています。
 このように、電気通信大学には英語を実践的に学ぶ環境が整っています。多様な海外交流プログラムを設置することによって、学生の国際化を積極的に支援していることが魅力といえるでしょう。