コロナによる大学授業形態の変化
コロナの影響でほとんどの大学が授業形態を変化せざるを得なくなりました。その方法はオンライン授業、ハイブリット形式などがほとんどです。現在は従来の対面授業に戻っている大学が多いですが、一時的なオンライン対応だけでなく独自の取り組みを行っている大学もあります。
この記事では、東京医科大学、日本女子大学の2大学の取り組み例を紹介します。
東京医科大学の取り組み
東京医科大学の取り組みについて解説します。
東京医科大学はTHE日本大学ランキング2023で141-150位にランクインしています。
東京医科大学は、開設当初(コロナ禍前)から「e自主自学」というe-learningシステム(インターネットを使って学習できる)を備えていました。コロナ禍を受けて、「e自主自学」を利用した疫学、公衆衛生学、予防医学、感染対策、治療トリアージなどに関する教育を強化。COVID-19の疫学・病態・診断・対策の講義ビデオを作成し、「e自主自学」にて「COVID-19 pandemicを深く理解しよう;疫学・感染対策から、診断・病態・治療まで」と題した講義ビデオを2020年6月から公開しました。
また、看護学科では、「令和3年度ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業」として、VR教材を授業で導入しました。これはコロナ禍で臨地実習が難しくなったことに起因しています。この取り組みの目的は、VR教材を活用して患者さんへの身体診査を行い仮想現実で対象とかかわることで、アセスメントができる能力を習得させることです。
日本女子大学の取り組み
次に、日本女子大学の取り組みについて紹介します。
日本女子大学はTHE 日本大学ランキング2023で151-200位にランクインしています。日本女子大学は2023年度の事業計画で情報通信技術(ICT)環境整備を掲げており、教育のDX化を進めています。
コロナ禍においても、学生の学修のために、情報通信技術に関連する取り組みが実施されました。そのひとつが、「ハイフレックス型の授業支援」です。「ハイフレックス型授業」とは、対面授業とオンライン授業を組み合わせた「ハイブリッド型授業」の一形態で、対面とオンラインで同じ内容の授業を同時に行う授業方法を指します。日本女子大学メディアセンターは、2021年度より、全ての教室に設置されるパソコンを、ハイフレックス型授業に対応できる設備に更新。さらに、スピーカーフォンや高性能なWebカメラを貸出機器として用意し、ハイフレックス型授業が円滑に実施できるようサポートしました。
加えて、2020年には学生が自宅からコンピュータ演習室のパソコンを利用できる「リモート接続サービス」の提供を、2021年にはコンピュータ演習室の増設、全面リニューアルを実施。
このように、日本女子大学では、コロナ禍への対応をきっかけに一気にDX化が進んだといえるでしょう。