フェアトレードとは?

 「フェアトレード」とは、端的に言うと「公正な貿易」のことです。具体的には、発展途上国で生産された製品や農作物を適正な価格で購入し、継続的に取引を行うことを指します。社会的に強い先進国と発展途上国間の取引であっても、消費者と生産者が公正に取引できるようになると、貧困の解消につながります。
 近年は大学でもフェアトレードの普及活動が行われており、イベントや講演の開催やフェアトレード商品の販売など、活動内容はさまざまです。この記事では、フェアトレードに関する取り組みを行う大学から、青山学院大学、京都産業大学、専修大学の取り組みについてご紹介します。

青山学院大学の取り組み

 青山学院大学は、THE 日本大学ランキング2023において52位にランクインしています。
 青山学院大学では、研究・教育、学生団体などでフェアトレード推進活動を行っており、一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムから「フェアトレード大学」として認定を受けています。フェアトレード大学として認定されている国内の大学は5校のみです。
 代表的なフェアトレード推進活動としては、学生の企画により生まれたオリジナルフェアトレード商品、「バナナペーパー付箋」などの販売が挙げられます。バナナペーパーとは、日本の和紙工場とアフリカのバナナ農家のコラボで生まれた環境にやさしい紙で、日本で初めてフェアトレード認証を受けています。バナナペーパーが使われた商品の利用により、廃棄物の有効活用や森林の保護、ザンビアの貧困解決などに貢献が可能です。
 ほかにも、青山学院大学経営学部ボランティア団体SBSLと企業による「国際フェアトレード認証」を取得したコットンを使ったハンカチの共同開発や、学内のカフェ(AGU Book Café)でのフェアトレードコーヒー販売など、活動は多岐に渡ります。

京都産業大学の取り組み

 京都産業大学は、THE 日本大学ランキング2023において111-120位にランクインしています。
 京都産業大学では、グローバル人材を育成する国際関係学部を中心に、さまざまなフェアトレード関連の取り組みが行われています。
 国際関係学部では、フェアトレードをテーマにしたさまざまな講演やイベントが開催されています。2022年10月には、「『フェアトレード』や『エシカル』を知る機会を作る」をテーマにしたカフェイベントを開催。イベントではコーヒースタンドの設置、古着やアクセサリーの販売と共に、「フェアトレード」や 「サスティナブル」 といったキーワードで活発に活動されている方々をゲストトーカーとしてお招きし、トークセッションが行われました。
 また、国際関係学部の授業「国際貿易論Ⅱ」では、2022年12月に「フェアトレードにおける生産者と消費者のつながり」をテーマに学内公開授業が開催され、フェアトレード商品の企画・生産・販売を行う企業のゲスト講師を招き、現在の産業の課題やそれに対する取り組みについての講演が行われました。

専修大学の取り組み

 専修大学は、THE 日本大学ランキング2023において151-200位にランクインしています。
 専修大学は、21世紀ビジョン「社会知性(Socio-Intelligence)の開発」の理念の下、持続可能な開発目標の達成に向けて、教育・研究・社会活動を通じて貢献することをSDGs行動理念として掲げています。
 全学を挙げてSDGsの達成を目指したプロジェクトを推進するため、学長の下に「持続可能な開発目標(SDGs)推進委員会」が設置されています。
 このようにSDGsの達成のための活発な活動が行われる専修大学では、さまざまなゼミや学生団体でフェアトレードに関する取り組みを実施しています。例えば商学部の神原ゼミナールでは、特定非営利活動法人パルシック(PARCIC、東京都)の協力を得て、コーヒーや紅茶、お菓子などのフェアトレード商品のプロモーションに取り組んでいます。SNSでもフェアトレードを広めるための投稿や、日々の活動報告を行っており、積極的な活動がうかがえます。