男女共同参画社会とは

 男女共同参画社会とは、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会*」のことです。現在日本では、男女共同参画社会の実現のために、国、地方公共団体による施策展開や協力が推進されています。
 男女共同参画社会の実現に向けた取り組みは、THEインパクトランキングにおけるSDGs目標5に関連しています。
 今回はTHEインパクトランキング2023の目標5にランクインした大学の中から、お茶の水女子大学、愛媛大学、武庫川女子大学の取り組みをご紹介します。

※出典:内閣府男女共同参画局「男女共同参画社会って何だろう?」

お茶の水女子大学の取り組み

 お茶の水女子大学は、THEインパクトランキング2023の目標5で201-300位にランクインしており、日本の大学では最上位に位置しています。
 お茶の水女子大学は、日本初の官立女子機関「東京女子師範学校」として設立され、女性が社会で活躍することが困難であった時代から、女子教育のフロントランナーとして道を切り拓いてきた大学です。
 お茶の水女子大学は2004年に全国に先駆けて「女性支援室」を設置し、男女共同参画社会実現に向けた取り組みを開始しました。さらに、2011年4月には「男女共同参画推進本部」を設置し、男女共同参画への歩みを強化。男女共同参画推進本部は、男女共に充実した生活・人生を送ることのできる社会環境を作ることをミッションとして、学長を本部長・教育研究評議会評議員全員を本部員とする全学体制によって運営されています。
 学生向けのキャリア支援・教育も充実しており、キャリアデザインに関わる知識・スキルの獲得や学問の探究のサポートを目的とするキャリアデザインプログラム科目群などを通して、女性リーダーが社会で活躍するためのコンピテンシー(社会的な場において成果を上げる資質・能力)開発を行っていることも特色の一つです。

愛媛大学の取り組み

 愛媛大学は、THEインパクトランキング2023の目標5で601–800位にランクインしています。
 愛媛大学は、自ら学び、考え、実践する能力と次代を担う誇りをもつ人間性豊かな人材を社会に輩出することを使命として掲げる国立大学です。2007年に男女共同参画推進委員会を設置し、愛媛大学における男女共同参画を推進するための「宣言」と「提言」を行い、「一人ひとりの個性が輝く大学と社会をめざして」をスローガンとして、男女共同参画社会の推進を本格的にスタートさせました。さらに、2010年には文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」事業にも採択されています。
 また、ダイバーシティ推進本部 ジェンダー協働推進センターを設立し、女性が働きやすい環境づくりや、女性の研究者、院生、学部生との交流の場を設けるなどして、将来の具体的なイメージづくりを手助けしています。学内の学生のサポートに留まらず、理系女子学生グループ「サイエンスひめこ」による女子中高生を対象とする各種イベントの企画・運営や、小学生の女子児童に向けたサイエンス教室の共催なども実施しています。

武庫川女子大学の取り組み

 武庫川女子大学はTHEインパクトランキング2023の目標5で601-800位にランクインしています。
 武庫川女子大学は、創立以来、社会に貢献できる女性の育成に努めています。2009年に策定した学院創立80周年に向けたビジョンでは、冒頭で「男女共同参画時代に真に対応することができ、グローバルな視野を持った指導的女性を育成する」ことを掲げました。
 また、2020年4月に女性活躍総合研究所を開設しています。この研究所は、生涯にわたる女性のキャリア開発に資する各種事業を探索し開発することを基本理念とし、社会の広い分野でジェンダーギャップを乗り越えて活躍できる女性の育成と支援を行うことを目標としています。国内外機関との共同研究を図り、ジェンダーギャップ指数向上のための調査・研究ならびに提言などを推し進めています。
 近年では2022年に女性活躍総合研究所の募集・支援のもと、日本最大級のダイバーシティ会議「国際女性ビジネス会議」に武庫川女子大学の学生が参加しており、学生自身の活発な活動も見られています。