クリーンエネルギーとは何か
クリーンエネルギーとは、CO₂をはじめとした温室効果ガスを排出しない、または排出量を抑えたエネルギーのことです 。近年は世界的にSDGs等の環境問題に関する取り組みが重要視されており、クリーンエネルギーもCO₂削減の観点から注目されています。
現在、クリーンエネルギーに関する取り組みや研究は多くの大学で行われています。本記事では、その中から山梨大学、香川大学、北海道科学大学の3つの大学について、具体的な取り組みを紹介します。
香川大学の取り組み
香川大学は、THE 日本大学ランキング2023の総合ランキング88位にランクインしています。
香川大学の中でも、主に創造工学部材料物質科学コースがエネルギーや資源について専門的に研究を行っています。
例えば、創造工学部材料物質科学コースの馮研究室では、「クリーンエネルギー、環境浄化、有害物処理」を研究のキーワードに挙げ、再生可能エネルギーや環境浄化技術の開発に取り組んでいます。具体的には、高性能低コスト新規太陽電池、有害物吸着除去・水浄化材料、環境浄化光触媒、環境にやさしい圧電材料の開発に取り組んでいます。
また、創造工学部機械システムコースの奥村研究室では、「環境保全、省エネ、クリーン燃焼技術、再生可能エネルギー」を研究のキーワードに挙げ、高度燃焼技術を基に、地球温暖化防止に向けたバーナー、ガスエンジンの開発、熱流体機器の研究開発、水素循環型社会および再生可能エネルギー社会を目指した機械システムの研究を行っています。
山梨大学の取り組み
山梨大学は、THE 日本大学ランキング2023の総合ランキング93位タイにランクインしています。
山梨大学はクリーンエネルギーに関する研究を長年にわたり推進しています。1978年には国内外で初めての燃料電池を研究目的にした「燃料電池実験施設」が発足しました。
また、2001年には「クリーンエネルギー研究センター」を設置し、クリーンエネルギーに関する研究を行ってきました。クリーンエネルギー研究センターでは燃料電池研究部門、太陽エネルギー変換研究部門、エネルギー計測研究部門に分かれて研究を行い、省エネルギー、地球環境問題の解決に貢献することを目指しています。
さらに、山梨大学には「水素・燃料電池ナノ材料研究センター」という、燃料電池の本格的普及に向けてナノテクノロジーを駆使した研究を行う機関があります。「水素・燃料電池ナノ材料研究センター」では、NEDO(持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、イノベーションを創出する、国立研究開発法人)からプロジェクトを受諾し、産学官連携のもと、高効率、高耐久、低コストの燃料電池システムを実現するための技術を開発しています。
北海道科学大学の取り組み
北海道科学大学は、THE 日本大学ランキング2023の総合ランキング201+位にランクインしています。
北海道科学大学は、2050年までにゼロカーボンキャンパスを目指しています。施設改革の一例として、クリーンエネルギーへの転換や太陽光パネルの活用を推進します。具体的には、エネルギーの消費量とCO2の削減を図るガスコージェネレーションの導入や、学内の一部の棟の屋上に太陽光発電システムを設置してE棟内の電気系統で利用、LED照明の導入(LEDは一般電球よりも消費電力が少なく、その分CO2の排出も減る)等を行っています。
エネルギー分野の研究は、主に工学部電気電子工学科などの学科で行われています。例えば電気電子工学科の矢神雅規教授は、再生可能エネルギー電源の課題抽出とその対策についての研究を実施しています。