小規模大学の定義とは?
小規模大学とは、入学定員が1,000人以下かつ学生数が4,000人未満である大学のことを指します。大規模大学は収容定員が8,000人以上と定義されているため、小規模大学は大規模大学の半分以下の学生数であるといえます。
小規模大学の中には、少ない学生に対して十分な数の教員を配置し、ST比(教員一人当たりの学生数)が低いという特徴を生かして教育を充実させている学校があります。
そこで今回は、THE 日本大学ランキング2023の教育充実度分野ランキング*で上位にランクインした小規模大学である、奈良女子大学、秋田県立大学、聖路加国際大学の取り組みについてご紹介します。
※教育充実度のスコアは、大学生や大学院生への調査結果と高校教員の評判調査結果から、どれだけ教育への期待が実現されているかを表しています。
奈良女子大学の取り組み
奈良女子大学は、THE 日本大学ランキング2023で61位タイ、教育充実度分のランキングで121位タイにランクインしています。2023年時点で学生数は2,067人、教員数が200人で、教員1人あたりの学生数は約10.2人です。
奈良女子大学では、学生一人ひとりに教員の目が行き届く少人数教育を行っています。例えば生活環境学部住環境学科(1学年35名)では、各学年に学年担任をおいているほか、学生ひとりひとりにアドバイザーとして教員2名がついて、きめ細やかな指導を行っています。また、卒業論文や卒業設計も学生4名に対して教員1名が担当するなど、少人数ならではの手厚い教育を受けることができます。
事前の面談予約をせずに教員に質問ができる「オフィスアワー」の設定もあり、学生はWebシラバスから各教員のオフィスアワーを確認することができます。さらに、4年(学部)+2年(マスターコース)の6年一貫教育プログラムを導入しており、学部生の間に大学院の科目を先行履修できるなど、大学院進学へのサポートも充実しています。
秋田県立大学の取り組み
秋田県立大学は、THE 日本大学ランキング2023で121-130位、教育充実度分野のランキングで114位にランクインしています。2023年時点で学生人数が1,653人、教員数は199人であり、教員1人あたりの学生数は約8.3人です。
少人数教育だからこそできる卓越した教育・研究環境が特色の秋田県立大学では、教員と学生、学生相互のコミュニケーションを重視し、教養科目から専門科目まで教員がサポートするという体制をとっています。学年・学科ごとに学年担当教員が置かれており、入学後と各学期の始まりに個別面談を実施します。教員は学生の勉強や研究の相談はもちろん、学生生活全般についての質問に応じています。
さらに、就活支援体制も整っています。キャリア情報センターと各学部にキャリア支援委員会設置しており、キャリアカウンセラーを中心にしたキャリア支援チームが、将来の人生設計も含めてきめ細かい支援を行っています。その成果として、毎年卒業生はほぼ100%の就職率を達成できています。
聖路加国際大学の取り組み
聖路加国際大学は、THE 日本大学ランキング2023で61位タイ、教育充実度分野のランキングでは150位にランクインしています。2023年時点で学生人数が459人、教員数68人であり、教員1人あたりの学生数が約6.7人です。学生に対する教員数の割合が他大学の看護学部に比べて2~4倍の多さであることが大きな特徴といえます。
少人数ゆえにカリキュラムは座学・講義中心ではなく、実践重視の構成で、演習や実習の量は教室での講義の2倍程度もあります。これは一般的な看護大学の実習と比べ1.5倍ほどです。
また、国際教育に力を入れており、留学へのサポートが充実しています。さらに、新しく英語・国際文化を学び始めた人でも、英語を読む力のトレーニングから始まり、選択科目で「書く・聞く・話す」力、そして「医療英語を使ってケアをする」能力までをステップを踏んで磨くこともできます。