入学難易度は同レベル帯でも、ランキングには大きな差

4大学とも150位以内にランクイン。一定の教育力が認められた形となっています。日本大学、東洋大学が60~70位台、専修大学が100位台、駒澤大学が140位台で、ランク順に並べると「日東専駒」となります。
 分野別スコアを見ると、「教育リソース」はいずれの大学もランキング圏外です。「教育満足度」は4大学とも高水準で、特に東洋大学と日本大学は非常に高いスコアです。「教育成果」は駒澤大学が3大学と比較してやや低く、総合スコアに影響を与えています。「国際性」は東洋大学のみがランクインし、4大学の中では一歩リードしていると言えます。

※「=」は同順位の大学あり。101位以下は10位ごとのランク表示。
※「=」は同順位の大学あり。101位以下は10位ごとのランク表示。

教育満足度の高さが目立つ日本大学と東洋大学

総合ランキングが4大学中で最も高い日本大学は「教育満足度」のスコアが非常に高く、全体では31位でした。学生数約6万8000人の大規模大学でありながら、教員も約2800人と多く在籍しています。教員1人あたりの学生数は24.3人(他3大学は40~50人)。より丁寧な教育を期待できる点が、高校教員の支持を得ているのかもしれません。
 「教育成果」のスコアも4大学中でトップです。これまでに約111万人の卒業生が輩出し、社長として活躍する卒業生の数もトップクラスであると言われます。卒業生の社会におけるネットワークが企業人事の信頼を生み、スコアを押し上げていることが想像できます。
 「教育リソース」と「国際性」の2分野がランク外ではありますが、「国際性」でランクインしている東洋大学より総合ランキングが上位であることを考えると、ランク外の2分野もそれほど低くないスコアだと推測されます。

 東洋大学は「国際性」で4大学中、唯一ランクインしています。文部科学省の補助事業である「スーパーグローバル大学創成支援(SGU)」「GO GLOBAL JAPAN(GGJ)」の両方に採択され、2023年度に向けて、外国人留学生の数を1142人(2016年度)から2720人に、日本人の留学経験者数を871人(2016年3月時点)から2870人に増やす目標を立てています。
 学習面では、学生の英語力向上に力を入れています。週4回、ネイティブ教師にTOEFLを学ぶ「英語特別教育科目」や、学内英会話学校「Toyo Achieve English」を開設。全学生が年に1回以上TOEICを無料で受験できるしくみがあり、英語力向上の成果を確認できます。

キャリア・就職支援に強みを持つ専修大学と駒澤大学

専修大学は、「教育満足度」「教育成果」において、ともに全体で60位台と上位にあります。キャリアサポート、就職支援の手厚さをアピールしている大学であり、その充実度や社会に出た卒業生の活躍が、高校教員や人事採用担当者に知られているのでしょう。公務員、公認会計士、法曹をめざす学生向けに1年次から3年間にわたる資格取得支援を行い、学習や課外活動の取り組みを記録して就職活動に役立てることができる「Webキャリアノート」など、特色ある取り組みが多数実施されています。
 2017年度、キャンパス再編、学部学科の再編が進行中です。アクティブ・ラーニングが行える施設が神田、生田両キャンパスに、留学生と共同生活ができる国際交流会館が生田キャンパス近辺にオープン。国際系の新学部(神田キャンパス)、ジャーナリズム系の学科(生田キャンパス)の設置が予定されています。将来的に、教育満足度や国際性のスコアに影響を与えそうです。

 日東駒専の中ではスコアが4番目だった駒澤大学ですが、「教育満足度」では全体で88位に位置しています。4大学中唯一、ワンキャンパスに全学生が集う総合大学で、さまざまな考え方の人と知り合える多様性を実現しています。就職支援の充実ぶりは定評があり、それらが高校の進路指導担当教員に広く認知されていると思われます。
 1年次から履修できる全学共通科目の中に、大学での学び方や社会に出てからの働き方を考える『ライフデザイン分野』を開設したり、就職の個別相談の待ち時間「ゼロ」をめざしたりと、意欲的な取り組みを行っています。