日本の117校がランキング対象に
「THEアジア大学ランキング2023」には31の国・地域から669校(前年616校)がランクインしました。日本のランキング対象校数は117校(同118校)で、国・地域別で最も多いです。
トップ3は4年連続同じで、1位は中国の清華大学、2位も同じく中国の北京大学、3位はシンガポール国立大学。4位、5位は前年と変わらず香港大学、南洋理工大学。前年6位の東京大学は8位でした。また、前年13位だった中国の上海交通大学が9位タイでトップ10入りしました。
トップ10は下表の通りで、中国4校、香港3校、シンガポール2校、日本1校がランクインしています。
日本の大学のトップ10はすべて国立大学
日本の大学のトップ10はすべて国立大学でした。トップ3の東京大学、京都大学、東北大学の顔ぶれは前年と同じです。
トップ10の中では大阪大学、名古屋大学が順位を上げました。大阪大学は2年間で16ランク上げ(2021年は63位)、今回、国内の順位が2つアップするなど、躍進が続いています。
日本勢はトップ50に5校(前年と同じ)、トップ100に6校(前年8校)、トップ200に13校(前年18校)がランクインしました。
国際化の進展が全体的な傾向
日本に次いでランキング対象校数が多いのは中国(95校)、インド(75校)、イラン(65校)、トルコ(61校)で、日本を含むこれらの国々はランキング数において8年連続で上位を独占しています。
THEの分析によると、全体的な傾向として国際化の進展が見られるとのことです。日本においても、ランキング対象全大学の国際性の平均スコアは、前年の27.6から28.6に上昇しました。
「THEアジア大学ランキング」の対象になるためには、「THE世界大学ランキング」にランクインしていることが条件となります。アジアランキングでは世界ランキングと同じ5分野 13 の指標を使いますが、アジアの教育機関の特性を反映し、最も包括的でバランスのとれた比較ができるよう調整されています。具体的には、世界ランキングで比重30%の「教育」分野がアジアランキングでは25%、世界ランキングで比重2.5%の「産業界からの収入」が7.5%という違いがあります。その他の「研究」30%、「被引用論文」30%、「国際性」7.5%の各比重は世界ランキングと同じです。
THEチーフ・グローバル・アフェアーズ・オフィサーのフィル・ベイティ氏のコメント
「THEアジア大学ランキングは、多様性に富むアジアの高等教育に光をあてる。その結果は、日本の大学が研究とイノベーションに革新的かつダイナミックに取り組む世界有数の大学であることを示している。日本の大学は近年、中国の躍進という大きな圧力にさらされているが、政府が一層の国際化を推進すべく高等教育や研究を支援する政策を展開しており、今後もアジアにおける優位性を維持するだろう。」