SDGsの目標の一つである平和に関する項目とは

 SDGsの目標16として、「平和と公正を全ての人に」が定められています。
 具体的には、「持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する」ことが目標として掲げられています。
 目標達成のためには、単純に戦争・紛争をなくすだけでなく、搾取、虐待や人身売買の撲滅や、司法への平等なアクセスの提供、非差別的な法規および政策の推進など、さまざまな角度からのアプローチが必要です。
 その達成のために、積極的な取り組みや研究を行う大学があります。この記事では、THEインパクトランキング2022にランクインした大学の中から3校の取り組みをご紹介します。

国際基督教大学の取り組み

 まず、国際基督教大学の取り組みについて説明します。
 国際基督教大学は、THEインパクトランキング2022総合801-1000位、目標16では601-800位にランクインしています。
 国際基督教大学は、世界平和に資する有為の人材を養成することを使命に1953年に設立され、リベラルアーツ教育を実践しています。
 2021年4月には、学生・教職員によるSDGs関する取り組みを集約・可視化することを目的に、有志メンバーからなる「SDGs進室」を立ち上げました。さらに、2021年12月10日世界人権デーには、学校のSDGs取り組みを紹介するサイトをオープンし、積極的に情報発信を行っています。
 また、SDGs平和活動と関連する特色ある授業に、「サービス・ラーニング・プログラム」があります。サービス(または、自発的な社会貢献をめざすボランティア)活動を通した学びを意味しており、プログラム参加学生は、国内・海外のNPOや公的機関でのサービス活動を通し、環境問題や途上国の教育支援、平和活動など様々なSDGs関する取り組みに関わっています。
 SDGs関わる学生団体も複数存在し、中でも「UNLEASH Hacks Japan」は、SDGs 4(教育)とSDGs 16(平和)の解決を目的に学生、コーダー、IR担当者が参加する団体です。

恵泉女学園大学の取り組み

 恵泉女学園大学は、THEインパクトランキング2022総合1001+位、目標16では601-800位にランクインしています。
 恵泉女学園大学は生涯就業力の育成を掲げ、SDGs育を推進するともに、地域・社会の人々と協力しつつSDGs連の多くの社会貢献活動を行っています。キリスト教の信徒であった設立者・河井道の理念を女子の高等教育機関である女子大学として受け継ぎ、設立から平和教育に力を入れています。
 具体的には、「平和研究入門」(開校時は「平和学」)の授業を必修としています。「平和とは単に戦争や暴力のない状態ではなく、差別や偏見、格差のない状態と捉える」という原則のもと、紛争など物理的な暴力だけでなく、ジェンダー、地域格差、国籍による差別など、幅広く平和に関して学んでいく環境が整っています。
 近年の取り組みとしては、学生による「書き損じはがきキャンペーン」があります。これは、女性の社会的地位の向上と子どもたちの幸福のために活動する学生奉仕団体「恵泉女学園大学ゴールデンZクラブ」によって2021年から実施されているキャンペーンで、書き損じはがきや未使用切手を集めて換金し、奉仕活動を行うプロジェクトなどに募金する取り組みです。2022年度は、223,100円が西アフリカのブルキナファソのプロジェクト「女の子が売られない社会づくり」に送金されました。

名城大学の取り組み

 名城大学は2022年度のインパクトランキングに初参加し、総合は1001+位、目標16では401-600位にランクインしました。
 名城大学は、「立学の精神」のもと、学生の多様な経験による「主体的な学び」を推進するために、 開学 100 周年に向けて「MS-26 戦略プラン」を推進しています。その推進の中で、SDGsで掲げられている諸課題の解決に向けて、教育、研究及び社会貢献活動に取り組んでいます。
 また、附属図書館では、2022年4月から館内にSDGsコーナーが設置されました。関連図書を17のゴール別に配架するほか、SDGsに関連するパネル展示や“自分が取り組んでいきたいSDGs宣言”コーナーの設置、各種企画展示などを行っており、学生が日常的にSDGsを身近に感じることができる環境が整っています。
 目標16に関連する取り組みとしては、「杉原千畝ボランティア・ガイド育成プログラム」があります。このプログラムは2018年に開始され、二年間コロナ禍で中断していましたが、2022年秋に再開しました。講義は名城大学生以外も受講・聴講可能で、受講生は杉原千畝が発行した「命のビザ」やホロコーストに関する授業を受け、実際に広場で人々に解説を行う実習に参加します。名城大学生に対しては、リトアニア・ポーランド研修への支援制度もあります。