国際性分野ランキングがいくつかの大学で上昇

 THE 日本大学ランキングの「国際性」とは、外国人学生や外国人教員の比率・日本人学生の留学比率・外国語で行われている講座など、各大学が「どれだけ国際的な教育環境になっているか」を表す指標です。国際性分野ランキングで上位に入っている大学は、国際的な教育環境が整っているといえます。
 THE 日本大学ランキング2023の国際性分野ランキングにおいて、順位が上がった私立大学が複数ありました。
 以下の表は、国際性分野ランキング100位以内かつ、昨年の国際性分野の順位からの上昇幅が大きい西日本の私立大学です。順位の上昇幅が上位10位の大学をまとめています。
 今回はこの中から、京都外国語大学、西南学院大学、中京大学の国際的な取り組みについてご紹介します。

京都外国語大学の取り組み

 京都外国語大学は、THE 日本大学ランキング2023の国際性分野7位にランクインしています。前年度に比べて13位アップしており、西日本の私立大学では最も順位が上昇した大学です。
 京都外国語大学は、外国人留学生を441人(2023年5月1日現在)確保しています。外国人留学生が、外国語や海外文化を学ぶことを目的として、日本にある京都外国語大学を選択しているということが特徴的といえます。その背景として、国際部Student Ambassador(S.A.)と呼ばれる、国際部付の派遣留学経験者を中心とした学生スタッフによる留学生への学生生活サポートやイベント企画、、学生から募った「留学生アシスタント」による出迎え・キャンパスツアー・区役所手続きのサポートなど、外国人留学生へのサポート体制が充実していることが挙げられます。
 さらに、2023年5月には公益財団法人京都市国際交流協会と包括協定を締結し、コミュニティ通訳に関する専門科目を新設しました。コミュニティ通訳とは、言葉の壁により公的施設を利用できない外国人を支援する役割です。このように学内の留学生に留まらず、京都に暮らす外国人への支援・コミュニケーションにも力を入れています。
 日々の学修のサポートも充実しており、2014年に開室された外国語自律学習支援室NINJAでは、学生×教員、学生×学生の2パターンのセッションを通して、語学学修や進路についての相談をすることができます。

西南学院大学の取り組み

 西南学院大学は、THE 日本大学ランキング2023 の国際性分野84位にランクインしています。前年に比べて3位アップしており、着実に順位を伸ばしています。
 西南学院大学には、多種多様な国際交流プログラムが存在します。例えば、33か国102大学への約1年間または半年間の派遣留学、学内にあるGlobal Student Lounge(グローバル・スチューデント・ラウンジ)での交流イベント開催、海外留学を疑似体験できる国際寮(インターナショナル・ハウス)の設置など挙げられ、学外・学内のさまざまな場所で国際性を養うことができるのが特徴です。
 西南学院大学の中でも特に国際色が強い学部に国際文化学部があります。国際文化学部には、中国・アジア文化コース、日本文化コース、アメリカ・太平洋文化コース、ヨーロッパ・地中海文化コース、比較文化コース、表象文化コースの6つのコースがあり、10言語の中から履修が可能です。
 また、国際文化学部の特徴的な制度に「研究旅行奨励制度」があります。この制度は、異文化体験の機会を提供するために、優れた研究旅行プランを立案した学生に奨励金を支給する制度です。国際文化学部のホームページには、この制度を利用して世界各地で行われた調査研究の成果報告書が公開されています。

中京大学の取り組み

 中京大学はTHE 日本大学ランキング2023 の国際性分野75位タイにランクインしており、前年度に比べて2位アップしています。
 国際性を高めることにつながった改革として、2020年に実施されたグローバル系学部の改組があります。国際教養学部、国際英語学部を改組して国際学部に統合し、国際学科、言語文化学科を設置しています。
 国際学部の特色ある取り組みとして、1日3時間×週3日で開講する能力別の少人数制の英語授業と、1年次秋学期に学部生全員が経験するアメリカもしくはカナダへのセメスター(1学期間)留学が挙げられます。学生は日々の授業と留学を通して、実践的かつアカデミックな英語を習得することが可能です。
 また、外国人留学生やネイティブ教員との異文化交流が活発なことも国際学部の特徴です。
 例えば、国際学部には「GLS専攻」というすべての授業が英語で行われる学位プログラムがあり、外国人留学生を積極的に受け入れています。さらに、学部内には異文化交流を目的としたラウンジと語学教室が設置されています。ブックカフェ風の談笑スペースや、可動式の机や椅子が完備された教室では、自由に外国人留学生やネイティブ教員と対話することができます。