THE 日本大学ランキング2023で総合200位以内にランクインした女子大学

 2023年3月23日、イギリスの高等教育専門誌Times Higher Education(THE:ティー・エイチ・イー)は「THE 日本大学ランキング2023」を発表しました。このうち、総合200位以内にランクインした女子大学は14校あります。この記事は、14校のうち、2022年からランクアップした「福岡女子大学」「奈良女子大学」「昭和女子大学」「東京女子大学」の4校について紹介します。

福岡女子大学

 福岡女子大学は、2022年のランキングでは総合46位でしたが、2023年では45位タイで順位を一つ上げました。
 福岡女子大学は、福岡県福岡市にある公立大学です。1950年、学制改革によって、全国で初めて公立の女子高等教育機関から4年制の大学に昇格し、福岡女子大学になりました。また、2011年には2学部5学科を再編し、「国際」と「教養」を重視した1学部3学科(国際文理学部/国際教養学科、環境科学科、食・健康学科)に生まれ変わりました。
 THE 日本大学ランキングの4つの指標のうち、福岡女子大学の特に順位が高かった分野は、「国際性」分野です。
 福岡女子大学では、学生の約7割が卒業までに何らかの形で海外留学を経験しており、留学機会を持てない学生に対しても代替支援策として「合宿型“English Village”」を開催しています。また、2022年度から、実社会で英語を活用することができるようすることを目的に、「学術・キャリア英語プログラム(ACE/Academic and Career English program)」として上級英語を必修としました。
 

奈良女子大学

 奈良女子大学は、2022年のランキングでは総合83位タイでしたが、2023年では61位タイで順位を22上げました。
 奈良女子大学は、奈良県奈良市にある国立大学です。1908年に設置された奈良女子高等師範学校を前身とし、1949年に発足されました。現在は文学部、理学部、生活環境学部、工学部の4学部で構成されています。
 THE 日本大学ランキングの4つの指標のうち、奈良女子大学の特に順位が高かった分野は、「教育充実度」分野です。
 大学での協働学習につながる取り組みとして、奈良女子大学の教養教育において重視している7つのアプローチのうちの二つ、「社会的実践に飛び込む」「他者と学ぶ、他者から学ぶ、他者を学ぶ」が挙げられます。
「社会的実践に飛び込む」では、仲間と共に社会的な問題の解決に取り組む実践学習を通じて、学びの意味を認識・実感することを重視しています。「他者と学ぶ、他者から学ぶ、他者を学ぶ」では、大学の仲間たち、社会の中で立場や専門や利害を異にする人たち、異なる文化に生きる人たちと積極的にコミュニケーションし、共に問題解決に取り組む経験を通じて学ぶことを目指しています。
また、学生一人ひとりの個性が尊重される少人数教育も奈良女子大学の特徴の一つです。こうした教育の方針、取り組みが、教育充実度の高順位につながっていると考えられます。

昭和女子大学

 昭和女子大学は、2022年のランキングでは総合111-120位でしたが、2023年では101-110位でした。
 昭和女子大学は、東京都世田谷区にある私立大学です。1918年に組織された「文化懇談会」がルーツとなり、1946年に日本女子専門学校を設置後、新学制により1949年に「昭和女子大学」に改めました。現在は、6学部14学科で構成されています。
 THE 日本大学ランキングの4つの指標のうち、昭和女子大学の特に順位が高かった分野は、「教育充実度」分野です。
 昭和女子大学は、「S-LABO」という企業連携活動や地域貢献活動などのさまざまなプロジェクトを実施しています。例えば「食を通じた地域支援応援プロジェクト」では、食に関する地域の課題解決のため、大学周辺の地区ごとに学生がチームを作り、地域の人々との交流やフィールドワークを実施しました。ほかにもさまざまなプロジェクトを通して、地域との交流や協働学習が行われています。
 また、キャリアデザインのサポートとして、本学卒業生だけでなく様々な分野で多様なキャリアを積んだ社会人女性約300名がメンターとして登録しており、社会で活躍する女性の育成にも努めています。

東京女子大学

 東京女子大学は、2022年のランキングでは総合141-150位でしたが、2023年では111-120位でした。
 東京女子大学は、東京都杉並区にある私立大学です。キリスト教の精神に基づく「リベラル・アーツ教育」の実績を基盤に、現代教養学部1学部5学科12専攻で、国際性、女性の視点、実践的な学びを重視した新しい教育を全学的に展開しています。
 THE 日本大学ランキングの4つの指標のうち、東京女子大学の特に順位が高かった分野は、「教育充実度」分野です。
 東京女子大学は、学生一人ひとりを大切に育てたいという思いから、1年次から1クラス20名程度の少人数クラスを基本とした演習形式の授業を実施しています。
 東京女子大学では、「女性の生きる力」・「女性のウェルネス」を含む総合教養科目に加え、「女性学・ジェンダー副専攻」でより深く女性学・ジェンダーについて学ぶことが可能です。また、講演会などの研究活動を展開する「女性学研究所」、卒業後のキャリア支援を行う「エンパワーメント・センター」を設置しています。

THE 日本大学ランキングを詳しく知るには

 この記事では、「THE 日本大学ランキング2023」において、総合200位以内にランクインした14校の女子大学のうち、2022年から順位を上げた女子大学について紹介しました。「THE 日本大学ランキング」のWebサイトでは、さまざまな切り口でランクインした大学を調べることができます。過去3年分の総合ランキングに加え、分野別やエリア別のランキングが閲覧可能です。さらに、学問系統や大学名での検索もできるため、大学についての知識や理解を深めたい方は、ぜひご活用ください。